iDeCoとは
厚生労働省ホームページより引用
iDeCoとは、公的年金(国民年金・厚生年金)とは別に給付を受けられる私的年金制度の一つです。
厚生労働省ホームページより引用
公的年金と異なり、加入は任意で、加入の申込、掛金の拠出、掛金の運用の全てをご自身で行い、掛金とその運用益との合計額をもとに給付を受け取ることができます。
公的年金と組み合わせることで、より豊かな老後生活を送るための一助となります。
上記は、厚生労働省のホームページからの引用なのですが、難しいですね…
何言っているか、よくわからないよ…
現代の老後にお金を受け取れる公的年金制度は、現役世代から集めた年金保険料をそのまま高齢者の年金として支払う「仕送り方式」です。
しかし日本では少子高齢化が進んでおり、国が制度を維持するために、もらえる金額を減らしたり、受給開始年齢を遅らせたりする可能性があります。
そのため国から受け取る公的年金以外にも、自分自身で年金を積み立ててくださいねーと言うメッセージなのです。
メリット
iDeCoに加入すると、次の3つのタイミングで税金が安くなります。
1.掛金を払うと、所得税と住民税の負担が減る!
2.運用中、増えた分(運用益)はすべて非課税!
3.受け取るとき、大きな控除枠を使える!
掛金を払うと、所得税と住民税の負担が減る
iDeCoで支払った掛金は、全額が「所得控除の対象」となります。年末調整や確定申告をすることで、所得税や住民税が安くなります。
たとえば、年収5000万円の会社員が毎月23,000円の掛金を支払った場合、1年間で55,200円、税金の負担が減るのです。iDeCoで積み立てるだけで、金額に応じて税金が安くなるので、はじめるハードルが下がりますよね。
・会社員の掛金の上限である23,000円の節税早見表
年収(課税所得) | 毎月の掛金(年間掛金) | 節税額 |
300万円(98万円) | 23,000円(年額276,000円) | 41,400円 |
500万円(233万円) | 23,000円(年額276,000円) | 55,200円 |
700万円(368万円) | 23,000円(年額276,000円) | 82,800円 |
運用中、増えた分(運用益)はすべて非課税
一般的に、運用で増えたお金(運用益)には20.315%の税金が掛かります。しかしiDeCoで運用してお金が増えた場合は、いくら増えたとしても非課税となります。
さらにiDeCoにはスイッチングができます。特定口座で運用している場合に運用先を変更したいと思ったときに利益が出ていたら、利益確定して税金を引かれて、新しい投資先に投資しなければならないので、投資効率が落ちます。しかし、iDeCoの場合、投資先をそのまま変更できるのです。
本来支払うはずの税金分も積み立てや運用に回せるため、より効率的に老後資金を貯めていけますね。
- 運用したら本当に増えるのかはこちら
受け取るとき、大きな控除枠を使える
iDeCoで積み立てたお金を受け取るとき、受け取り方によって以下のような控除制度が利用でき、所得税を軽減できます。
・一時金としてまとめて受け取る場合:退職所得控除
・年金として分割して受け取る場合 :公的年金等控除
たとえば、30年掛金を積み立てて60歳のときにまとめて受け取った場合、受け取る金額が1,500万円以下であれば、税金がかかりません。
デメリット
税金が多くかかってくる場合もある
メリットのところで受け取るとき大きな控除枠を使えると書いたのですが、退職金が多くもらえる予定等で、退職所得控除を超える人は税金がかかってしまいますので、掛金を払った時の全額所得控除で税の先送りみたいになるので、受け取り時の税率を確認しなが考えないといけません。
私の会社では退職金制度がないので退職所得控除が使えてメリットしかないのですが、退職金が多くもらえる予定の人は受け取り方をよく考えないと、税金が多くかかってしまうこともありそうですね。
掛金を払った時の全額所得控除での税金の先送りみたいになりますよね。
途中解約できない
あとiDeCoは、原則60歳まで積み立てたお金を引き出すことができず、途中解約もできません。
これだけ聞くと確かにデメリットですが、そもそも「老後資金を貯める」ための制度です。老後に使うためのお金なので、本来は60歳まで引き出せなくても困らないはずです。私は長期運用が前提のインデックス投資とは相性が良いと思っています。ただメリット部分だけを見て掛金を上限に設定し、後悔してしまう方もるようです。支払いが厳しくなれば途中で掛金の変更は可能ですが、最初から無理のない範囲で、目的に合った額を設定しましょう。
手数料がかかる
国民年金基金連合会と運営管理機関に手数料を支払はなければなりません(171円~600円)。手数料の少ない金融機関で171円(月額)高い金融機関だと月額600円くらいかかるところもありますので、iDeCoを行う金融機関の見極めも必要になってきます。私は現在みずほ銀行で開設していますが、おすすめはSBI証券です。
加入・移換時手数料:2,829円(初回1回のみ)
https://www.am-one.co.jp/pickup/nisa-guide/method-nisa/iDeCo.html
加入者手数料:105円(掛金納付の都度)+66円(毎月)(金融機関によって運営管理手数料がかかる場合もある)
受取時手数料:440円(振込の都度)
等
手続きが煩雑
申し込みや掛金の金額変更は、用紙に記入して、郵送でやり取りしなければなりません。
2023年現在、会社員の方はiDeCoへ加入申請するにあたって、会社に事業主の証明書の必要事項を記入してもらわなければなりません。勤務先に書類を書いてもらう必要があるのです。「iDeCoハラスメント」という言葉が生まれるほど、iDeCoを認知していない会社は少なくありません。
2024年12月以降を目安に、加入要件から「事業主証明書の提出」を廃止する方向で話が進められています。
ふり返り
上でも書いた通り、現代の老後にお金を受け取れる公的年金制度は、現役世代から集めた年金保険料をそのまま高齢者の年金として支払う「仕送り方式」です。さらに日本では少子高齢化が進んでおり、国が制度を維持するために、もらえる金額を減らしたり、受給開始年齢を遅らせたりする可能性があります。
政治家に年金なとかしろと文句を言ったところで、すぐに制度は変わりません。将来の不安を想像するより、今ある制度を学んで利用していくことが大切です。
iDeCoの最大のメリットは全額が「所得控除の対象」で節税ができるところです。デメリットの手続きが煩雑というのをクリアできる人は積極的に活用して良いと思います。
ただし、2024年からNISA制度が大きく変わり、非課税枠が大幅に増えるので、手続きが煩わしいと思う人は、まずはNISA口座の開設で投資に慣れていき、所得控除の恩恵を受けたいと思ったらチャレンジすると良いと思います。
2024年から始まるNISAとiDeCoの一覧表
新NISA | 新NISA | iDeCo | |
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | ||
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 | 14.4万円~81.6万円 |
投資対象 | 長期投資に 適した投信 | 上場株式・投信・ ETFなど | 投信・定期預金・保険 |
資金の引き出し | いつでも可 | いつでも可 | 原則60歳以降 |
口座管理料 | 無料 | 無料 | 月66円~600円くらい (金融機関により異なる) |
税制優遇 | 運用益が非課税 | 運用益が非課税 | 運用益が非課税 掛金が全額所得控除 退職所得控除、等 |
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